2022.01.20 症例・症状コラム
症例:メニエール病 医師に対応する薬がなく、慣れるしかないと言われた症状が回復した症例。
医師には対応する薬がなく慣れるしかないと言われた聴力低下・耳鳴りが改善した症例。
◎来院者
30代 女性 兵庫県芦屋市
◎発症からの経過と来院までの経緯
来院1ヶ月前、めまいと吐き気とともに、耳が詰まり、聞こえが悪くなった。すぐに耳鼻科を受診し、症状を伝えるとメニエール病か前庭神経炎ではないかと診断を受けた。
薬を服用し様子をみると日に日にめまいと、耳閉感は少しずつ改善していった。しかし、耳鳴りと音が反響する感じ、聞こえの悪さは改善せず、不安になった。
医師にすすめられ漢方薬なども試しに服用するも改善がみられない。1ヶ月経過しても改善がみられないためこのままの状態が一生続くのではないかと心配になり、他に治す方法はないかと色々と調べていたところ、鍼治療がいいのではないかと考えた。
いろいろ鍼灸院について調べたところ、耳鼻科症状を得意としている当院のことを知り相談に来られた。
◎施術ポイント
発症からすぐに病院へ行き薬も服用できていたことから、原因は薬の作用では難しいところが原因だと考えた。
普段の体の状態を伺うと、育児により首や肩のコリを常に感じているとのこと。また症状の発症1週間前に顎関節付近に違和感があるとのこと。
経験上、薬を服用しても改善しない場合、内耳に血液の流れが届いていないことがほとんどである。その内耳に血液が流れていない原因となるのが首や肩のコリである。また顎関節に何かしらのトラブルがあると耳周辺の状況を崩しやすい。
首肩のコリを取り血液の流れを良くすること、顎関節の動きをスムーズにし耳周辺の状況を整えること、この2つを軸に施術を行った。
◎施術からの経過
首や肩を触診すると、耳の血液の流れに作用する箇所で顕著にコリがみられた。
まずは首の付け根部分をコリを解消するため、仰向けになってもらい前腕と足の甲の部分に鍼を行なった。鍼を抜き、身体を起こしてもらい身体を確認すると首のコリが柔らかくなっていた。
さらに顎関節の動きを改善するためスネの部分に鍼を行なった。施術後体が軽くなる感じがあり、力が抜けているのがわかった。
2〜3回目、施術後は身体が軽くなるとのこと。若干だが耳の調子も良いがするとのことから同様の考えで施術を行う。
4〜6回目、耳の聞こえは最初と比べ回復しており、聴力検査の結果は問題なくなっていた。耳鳴りと閉塞感がまだ残っており、回復の感覚としては5割程度。症状は調子の良し悪しに波がある状態とのこと。
7〜9回目、耳が詰まっている時間が1日の中で少なくなっている。耳鳴りも小さくなっており、耳のことを考える時間が減ってきた。
10〜13回目、さらに耳鳴りが小さくなり静かな場所以外では気にならなくなってきた。疲れが溜まると少し耳のことは気になるがそれ以外は不安もなく過ごせている。
さらなる改善と状態の安定、身体のケアを行うため通院間隔をあけ通院されている。
◉オージオグラム(聴力検査票)
※施術6回目時の検査結果