2021.12.18 症例・症状コラム
症例:顔面神経麻痺 退院後も悪化し続ける顔面神経麻痺に薬だけ飲んでいればいいのか不安になった。
退院後も悪化する顔面神経麻痺に不安を送っていたが違和感もないほど回復した症例。
◎来院者
10代 女性 兵庫県三木市
◎発症からの経過と来院までの経緯
3週間前、高熱と頭痛があり1週間学校を休んだ。すぐに良くなるだろうと考えていたが一向に改善せず、5日目の朝に顔に違和感があり顔が固まってきた。これはおかしいと感じ、すぐに病院へ行った。
診察の結果、ラムゼイハント 症候群と診断され、ステロイドの点滴を行うため翌日から入院することになった。2週間、点滴を行うも入院当初より顔の麻痺がひどくなっている感じがしたまま退院となった。
このまま薬を飲み続けるだけで良くなるのだろうかと不安に陥った。このままではどうなるかわからないとご家族が心配し、ネットで顔面神経麻痺(ラムゼイハント 症候群)について調べたところ、当院のHPをみつけご相談に来られた。
◎施術ポイント
入院時よりもどんどん麻痺が進んでおり、このままどうなっていくかわからないという不安を強く感じた。幸いにも筋電図の結果が20%あったこと、顔面神経麻痺になってから日が浅かったため、元の状態を取り戻す改善率が高いことをお伝えした。
学生の方やお子さんには、現在の状態を自分で把握すること、不安を減らし良くなるイメージを掴んでもらうこと、そしてこれから何をしていくことで自分が望むことを掴み取れるかということを理解してもらえるようカウンセリングしている。
経験上、自分自身の意思ではなく、親の意思で治療を続けている子のほとんどは結果が伴わない。反対に自分自身がどうしていきたいかを考え行動することで回復する可能性は大きくなり、ときに驚くような結果になることが多い。
◎施術からの経過
顔へ向かう顔面神経の入り口は、耳の後ろあたりになる。耳周辺に過度な筋肉のコリがあると、血液の流れを阻害し回復を妨げてしまい、回復が遅く後遺症のリスクが高まる。血液が神経を回復させるための栄養や酸素を含んでいるからである。
手の甲と足の甲に鍼をすることで、耳周辺のコリを緩め血液を顔面神経へと促すよう施術を行った。
2回目、初回の翌朝、わずかではあるが表情に違いがありとても安心し喜んだとのこと。引き続き顔面神経へ栄養を届けるため血流の改善を目的とし行う。
3〜5回目、ほうれい線がツルッと消失していたのが、線が行くようになり頬まわりに力が戻ってきている。
6〜10回目、日に日に顔の動きが良くなり瞬きや「イー」と笑う動作もできるようになってきた。
11〜15回目、周りからみて違和感がなくなり、笑うことが増えた。休んでいたバイトも復帰し日常生活に支障なく日々を送れている。
16〜20回目、家族の方、自分自身で顔を見ても違和感がない。顔面神経麻痺になってから写真に映るのが嫌になっていたが、笑顔で写真に写ることができるようになった。
今後は後遺症のリスクも考え施術の間隔を2週3週とあけながら様子を見ていくようにしている。