2024.11.22 お知らせ
〜鍼灸師が伝える〜もし顔面神経麻痺になったら知って欲しいこと②
はりきゅう処えのんの光山です。
当院は、顔面神経麻痺、耳鼻科症状、自律神経症状の施術に特化した鍼灸院になります。
特に顔面神経麻痺に関しては、全国から顔面神経麻痺でお困りの方のご相談をよくいただきます。
今回は、『そもそも顔面神経麻痺って何なの?』についてのお話です。
顔面神経麻痺を発症し、顔面神経麻痺について調べている方に届きますと幸いです。
「病院はどこに行ったらいいの?」「これって顔面神経麻痺かな?」と不安に感じる方は前回の記事も併せてお読みください。
顔面神経麻痺とは
顔面神経麻痺とは、ある日突然、顔の表情を作る筋肉を動かす神経である顔面神経が麻痺し、顔の半分が動かなくなる病気です。
私の顔面神経麻痺はどれだろう?と言う方のために、今回は詳しく顔面神経麻痺を分類します。
◯ 中枢性の顔面神経麻痺
◯ 抹消性の顔面神経麻痺
◯ 外傷性の顔面神経麻痺
脳卒中による顔面神経麻痺は中枢性、事故による顔面神経麻痺や、美容整形後の顔面神経麻痺は外傷性になります。
様々な顔面神経麻痺をご相談いただきますが、抹消性の顔面神経麻痺が問い合わせが多いです。
※最近では美容整形後の顔面神経麻痺やボトックス注射による顔の違和感も問い合わせとして増えてきています。
当院にご相談に来られる顔面神経麻痺でお困りの方の7〜8割が抹消性の顔面神経麻痺になります。
顔面神経麻痺の中で一番多い末梢性の顔面神経麻痺の分類をしていきます。
抹消性の顔面神経麻痺は大きく2つ分類されます。
【ベル麻痺】と、【ラムゼイハント症候群】になります。
ベル麻痺とは
ベル麻痺は何らかの影響で顔面神経が炎症を起こし、顔面神経麻痺を引き起こします。
原因が特定できないことが多く、医師からは「原因はわかりません」と説明が特になかったり、「単純ヘルペスウイルスによる麻痺ですね。」と言われたりします。
ヘルペスウイルスは、一度感染すると神経節に潜伏し、免疫力が低下したり、何らかの刺激を受けたりすることで再活性化します。
再活性化したウイルスが顔面神経を侵すと、炎症を起こし、神経が損傷することで顔面麻痺が起こります。
その他にも、
自己免疫系の異常により自身の免疫細胞が自分の神経を攻撃してしまう。
血管の炎症により顔面神経に栄養を供給する血管が炎症を起こし神経を損傷する。
と言われることもありますが、原因がはっきりしないものはベル麻痺と診断されるケースが多いです。
ラムゼイハント症候群とは
ラムゼイハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる病気です。帯状疱疹のウイルスが顔面神経を侵すことで、顔面神経麻痺や耳の痛み、水疱などの症状が現れます。
子供の頃に一度かかった水痘(水疱瘡)のウイルスが、神経節に潜んでおり、免疫力が低下した際に再活性化することで発症します。
顔面部に出た帯状疱疹による顔面神経麻痺をラムゼイ・ハント症候群と言われます。
※ハント症候群、ラムジー・ハント症候群と呼ばれることもありますが同じものです。
ベル麻痺とラムゼイハント症候群の違い
ベル麻痺・ラムゼイハント症候群はどちらも顔面神経麻痺になり顔面部が動かなくなる病気です。
2つの身体的な特徴の違いは、
◎ベル麻痺の場合、顔面部の麻痺が主な症状のため、顔が動かない以外は普段通りの生活を送れる方が多いです。
◎ラムゼイハント症候群の場合は、顔面部の麻痺だけでなく、難聴や耳鳴り、めまいを同時に引き起こすことがあります。
その他にも、
☑️ 神経痛(ピリピリ、ズキズキ、焼けるような痛み)、
☑️ 発疹(神経に沿って帯状に赤い発疹が現れる)
☑️ かゆみ( 発疹とともに強い痒みを感じることがある)
☑️ 感覚異常( 痛みだけでなく、痺れや感覚が鈍くなることもある)
上記のような症状が出やすいのが特徴です。
ベル麻痺が治りやすく、ラムゼイハント症候群が治りにくいとされていたり、時間が経てば治っていくと書かれている情報も少なくありません。
私は全国、時には海外から顔面神経麻痺の症状で悩む方のご相談を受けていますが、決してどちらも治りやすいものではありません。
顔面神経麻痺は、症状の度合いが個人差が大きいものになります。
治る=元の顔に戻る ではない
3ヶ月経っても顔は全く動く気配がなく、半年〜1年、時には数年経過しても治らないケースはよくあります。
『治る=元の顔に戻る』ではないのが顔面神経麻痺の症状です。
わたしの元に来られた患者さんで、病院で完治と言われたが、ご本人はよくなっている感覚がなく、実際には8割程度の改善しかしていないことは多くあります。
わたしのイメージとしては世間に流れている顔面神経麻痺の治ったは、『初対面の人が見てもわからない程度に良くなった』でしかありません。
もちろん本人がそれで納得できていればそれ以上言うことはないのですが、その8割の状態を放置していると、後遺症も出やすく、生活での困り事も新たに出てくることがほとんどです。
本人としても治ったという自覚が持てず、5年以上、10年以上経った方も、もっと良くしたいと当院にはご相談に来られます。もっと早く来ていればよかったと後悔される方も多いです。
どうぞご自身を大事に、顔面神経麻痺という病気をしっかり向き合っていただけますと幸いです。
また笑顔を生活を取り戻したい、この先どうなっていくかが不安という方はぜひ当院にご相談下さい。
次回は、「顔面神経麻痺になったら病院でどんな治療経過をたどるのか」、「鍼灸を受けるベストなタイミングはいつなのか」についてお話ししていきます。
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