2021.02.06 症例・症状コラム
症例:顔面神経麻痺 重度の顔面神経麻痺が鍼をして医師が驚くほど回復した。
重度と言われたラムゼイハント症候群が、医師が驚くほど回復した症例。
◎来院者
I.Uさん 女性 宝塚市
◎発症からの経過と来院までの経緯
3週間前、右耳に帯状疱疹ができ、数時間もしないうちに右半分の顔が動かなくなった。自分の意思で動かす事ができず、食べる時も眠る時も口は動かず、目は閉じない状態。
病院の検査で、血液検査の結果と帯状疱疹ができているとのことからラムゼイハント 症候群と診断された。筋電図は10%を切っており重症だと言われショックを受けたとのこと。またステロイド、抗ウイルス薬で炎症を抑えることはできるが、麻痺に関してはやれることがないと医師に言われ、病院では改善は難しいのではと考え他の方法を探した。
ネットの情報で、「はりきゅうがいいのではないか」と感じ、顔面神経麻痺を専門に見ている当院に相談に来られた。
◎施術ポイント
右耳の帯状疱疹が続いており、痛みが続いているとのことだった。通常であれば10日ほどすると痛みは引くのだが3週間経った今でも炎症が続いてる感じた。
炎症が長引く原因として考えられるのは、血液の流れである。しかし、今回のケースでは、これからどうなっていくのかわからない不安が炎症を増悪させているのではないか話を伺って感じた。
そのため初回は、鍼をすることよりも今何に不安を感じているのか話を聞くことに重きを置いた。さらにこれから先どうなっていくのかを詳細に伝え、安心してもらえるよう意識した。
◎施術からの経過
話を伺った中で、不安に感じていたことは、早く仕事に戻らなければいけないという焦りと先が見えない不安であった。不安は精神的な部分にダメージを与えストレスとなり、ストレスは炎症傾向を強めることになる。
身体に触れてもストレスに関係するお腹や背中の緊張が見られていたので手・足に鍼をすることで緊張を解いた。さらに炎症に関係する首筋のコリも顕著に見られてため、さらに手の甲に鍼をした。
2~3回目、繰り返し施術を行うことで、目が閉じられるようになってきた。
6〜7回目、瞬きもスムーズになり、食事も顔のことを気にせず食べる事ができている。頬部分の表情筋の硬さが見られたため背中に鍼を行なった。
10回目、日を追うごとに回復しており、見た目に気になるところが減ってきた。
週3回の施術を繰り返し行うことで麻痺がわからないまでに回復した。定期検診で、病院の先生にも「あれ?こんなに良くなって後遺症が残らなくてよかったね。」と驚かれていたとのこと。
への字を作ったりして日常的に行わない顔の動きをすると、違和感があるため継続しての施術を希望されている。